仙台高等裁判所 昭和29年(う)89号 判決
記録を調査するに、盛岡区検察庁は、盛岡簡易裁判所に……罪名森林窃盗森林法第一九七条として本件公訴を提起したものであるところ、原審立会検察官は証拠調終了後、意見として「本件公訴事実は………被告人を懲役二年に処するを相当とする」との趣旨の陳述をし、原判決は右公訴事実を認定し、森林法第一九七条を適用して被告人を懲役一年六月に処する旨宣告した。しかし、裁判所法第三三条は簡易裁判所の裁判権につき規定し、禁錮以上の刑を科することが出来る場合を特定してその制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、事件を地方裁判所に移されなければならないとしているのである。従つて右特定外である本件については地方裁判所にこれを移す手続をしなければならなかつたのに、漫然この措置に出ることなき前記の如き判決を宣告したのであるから原判決は破棄を免れない。